田んぼの草取りのシーズンです。田植えを終えて、1ヶ月間が苗にとってとても大切なときなのです。子育てと同じで、幼い時期は、稲がちゃんと育つように、親(稲の場合は、人)が手を貸して上げることが大切なのです。
植えた苗より、草の生長が速いのです。ですから、ほっておくと苗が草に負けてしまうのです。この時期に草の芽を摘んでしまえば、後は苗が育ち、その後に草が出てきても、負けないのです。
メダカのがっこうは、田植えを終えた自然耕農家の田んぼへ出かけて、順繰りに田んぼの草とりを手伝います。そのためのツアーを募集して、出かけるのです。
6月9日、栃木県大田原市の水口農場へ、12名の草取り部隊が出かけました。あいにくの雨模様でしたが、田植えを終えた水口さんの田んぼは、苗がいきいきと気持ちよさそうに伸び始めていました。
さっそく長靴に履き替えて田んぼに入りましたが、あまり目立った草がありません。土ができると、草が生えなくなるのです。イトミミズがたくさん発生すると、糞をして土の表面にトロトロ層をつくります。そこは無酸素状態なので、そこに草の種があっても発芽できないのです。
がっかりしている私たちを見て、水口さんは「じゃぁ、別の田んぼへ行きましょう。草がたくさん生えている田んぼもあるから」と、自宅から離れた田んぼへ案内してくれました。
そこは、冬・水・田んぼにして日が浅いため、けっこうコナギが芽を出していました。草取りを始めて30分もたつと雨が降ってきて、やむなく中止です。でも、草取りをやった、という実感をようやく味わえました。
水口さんは、田んぼの草取りよりも、私たちに見せたいものがあったのです。自宅近くの休耕田と用水路を利用して、みごとな小川と水辺をつくったのです(写真)。小川には、メダカやドジョウを放ち、水田にはマコモを植えました。カエルが繁殖し、マコモもいきいきと育っています。ヘビが泳いでいたり、アカガエルの赤ちゃんをトウキョウダルマがぱくついたりと、生きものたちの生を横臥する様子が身近に見られました。
「都会の子供たちにぜひ見てもらいたい」と、案内してくれた水口さんは、まるで少年のように目を輝かせていました。ぜひ、皆さん行ってみてください。